2014年01月31日

集団自衛権行使に伴うテロの脅威

集団自衛権行使容認によって、見方によれば米国を支援しているとみなされ、海外に駐留する日本企業はテロのターゲットとなる可能性の否めないだろう。また、海外旅行者においても「殺人や強盗」といった犯罪に巻き込まれるリスクも増大するだろう。

記憶に新しいのは、2013年1月16日にアルジェリアにある日本のプラントメーカー「日揮」がイスラム武装勢力に襲撃された事件である。この事件で、アルジェリア政府は8ヶ国合わせて37人が死亡したと発表している。そのうち日本人が10人死亡している。ちなみに日揮は、90年代にアルジェリアでイスラム武装勢力によるテロが頻発し、多くの日本企業が同国から撤退した時も、唯一アルジェリアに残った企業である。

今回の事件において、明暗を分けたのが各会社の「危機管理体制」であったのは明確である。事件当時、英国政府は状況を把握し自国民の安全をはかるため、施設内に何人の英国人がいるのかを、あえて公表しなかった。フランス政府においては、偽情報を流した。結果、フランス人は助かったという。

日本はどうだろうか。日本は、事件発生直後から、「行方不明の日本人は何名、安否確認できた日本人は何名」と連日、記者会見を開き発表していた。武装勢力から見れば「棚からぼた餅」のような気分だったに違いない。これが、日本政府の危機管理レベルである。

危機的状況において、どのような情報を流し、隠すかは非常に難しい問題である。秘密保護法案制定の際、政府は秘密が保護されていなければ、どこの国も情報を提供してくれないと言っていたが、このようなレベルで、どこの国が情報を提供してくれるだろうか。下手に提供した暁には、自国民までも危機に巻き込まれる可能性が増大するのはあからさまである。

いずれにせよ、日本企業がセキュリティを軽視した結果であることは間違いない。緊急事態時の「危機管理訓練」を行っていたかどうかは定かではないが、日本企業の体質から考えると、「訓練が必要なほど危険な場所に社員を送っている思われると、家族に心配をかける」などと言う理屈で必要な訓練をさせていなかったのだろうと推測する。

今後、海外企業においては、テロは現実的な脅威になる可能性が高くなるので、真剣に従業員の安全を確保することを考えなければならない。

posted by 松田英貴 at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・経済
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