2012年12月15日

憲法改正は「対米追随派」の戦略


自民党は、憲法9条の改正を望んでいるようだが、改正の真意は何なのだろうか。現時点で、自衛隊は、政府見解によれば「合憲」とされ、自衛隊法によれば自衛隊の任務は、直接侵略に対し我が国を防衛することとありますから、近隣諸国からの「侵略」に対して対応するための憲法9条「改正」は必要ないということになります。

「憲法9条「改正」を主張する人たちは、近隣諸国」の脅威を根拠にしたがります。そのような人たちにとっては、「近隣諸国」は脅威であり続けなければならないわけです。脅威であり続ける以上、「日米安保条約」は現在よりも、より強固にする必要があるわけです。

尖閣諸島問題、竹島問題、北朝鮮の問題が起きるたびに、対米追随派の政治家やマスコミは「在日米軍必要論」が出てきます。ここ最近、選挙戦に合わせたような絶妙のタイミングで、北朝鮮がいきなりミサイルを発射してみたり、中国の飛行機が領空侵犯するなどの事件が起きている。

先月29日には、沖縄県・尖閣諸島が米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象であると宣言する条項を盛り込んだ。

確かに、日米安保条約第5条には「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する」とある。

しかし、この条文の「自国の憲法上の規定及び手続に従つて」の部分は、日本領土が攻撃されたとしても、米議会の承認が得られない限りは、米軍は出動しないと解釈できるわけです。つまり、日米安保条約に従い、米軍が出動すべきかどうかは議会にかけられ、否決されれば出動しないということだったのだが、どのように変わったのだろうか。いずれにせよ、このことも、この場に及んでの絶妙のタイミングなのは理解できる。

今年8月15日「尖閣諸島は中国領土である」と主張する香港保釣行動委員会で抗議行動として尖閣諸島に上陸しました。この時期は、まさに日本がオスプレイの配備で反対運動が起きている時期でした。しかし、この上陸事件の発端は、石原慎太郎前東京都知事が、東京都が尖閣諸島を買い取ると言い出したことが原因です。この発言は、訪米中に米政策研究機関「ヘリテージ財団」主催のシンポジウムでの講演で宣言しました。

8月27日、丹羽中国大使の乗る車から国旗が引き抜かれる事件が起きましたが、中国紙「環球時報」は社説で「我々が引き抜かなければならないのは、某勢力が中国周辺地域で振り回している目に見えない敵だ」と述べています。この「某勢力」が米国を指していることは察しできます。

※ヘリテージ財団は’73年、保守派の情報ブローカーであったエドウィン・フュルナーが保守派仲間のP.ウェイリッチとともに、政策決定に積極的に影響を及ぼすことを目標として設立した。スポンサーに軍需産業が多く名を連ね、ミサイル配備をはじめとする軍備増強を強硬に主張することからも、別名「ミサイル財団」とも呼ばれている。イラク戦争やAFRICOM(アメリカアフリカ軍)創設にも関与した。

「ヘリテージ財団は、自民党系タカ派や防衛族の議員とも関係が深い。同財団の講演会では07年、当時の久間章生防衛相が武器輸出3原則の見直しを発言している。今回の石原氏の尖閣に関する発言を契機に、その後、日中が棚上げしていた尖閣問題が再燃し、同時期に北朝鮮のミサイル発射問題も浮上して日本はミサイル防衛関連の新型兵器をアメリカから追加購入することになった。

このように、さまざまな工作が日本に対して行われる。結果、日本に対して危機感を煽ることに繋がり、「在日米軍必要論」が出てくることになる。また、憲法改正によって考えられることは、脅威が増した(工作)と、より多くの武器をより簡単に日本に売ることができる。(対日戦略)

米国や対米追随派政治家にとってはメリットですが、国民にとってはデメリットしかないでしょう。こう考えると、自民党や維新の会、みんなの党など、日米安保の重要性を謳っている政党は、対米追随派であることは間違いないでしょう。


posted by 松田英貴 at 23:31 | TrackBack(0) | 政治・経済
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/60795721

この記事へのトラックバック
spacer.gif
spacer.gif