2012年11月12日

逗子ストーカー事件に関する考察


神奈川・逗子市で、男がストーカー行為の末に元交際相手の女性を殺害し自殺したとみられる事件で、容疑者は、インターネット質問サイト「ヤフー知恵袋」を使い被害者の情報を求めていた。最終的な住所の特定は探偵業者に依頼し詳細な住所を入手したが、昨年6月に容疑者が逮捕(逗子警察暑)された際、逮捕状に記載された三好さんの結婚後の名字などを読み上げたことも判明した。

インターネットによる情報収集は防ぎようがないにしても、探偵業者や警察は事務的作業で終わらせるため、安易に情報を提供したり漏えいしたりする場合が多いため、そのことが事件に繋がることも少なくない。

平成12年5月18日、「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」として成立し、11月24日から施行されました。この法律はストーカー行為等を処罰するなど必要な規制と、被害者に対する援助等を定めており、ストーカー行為の被害から守るためのものです。しかし、ストーカー被害の認知件数は年々増加傾向にあり、行為がエスカレートし殺人事件に及ぶことも少なくははない。

被害者、行為者の年齢構成
平成22年、被害者の性別は,女性が90.8%(過去5年間)を占めており、20、30歳代が全体の約63.3%を占めている。行為者は、20歳代(34.6%)が最も多く、次いで30、40歳代が多い。

被害者と行為者の関係
面識のない者から、あるいは行為者の判明しないストーカー相談は約6%と少数であり、ほとんどは面識ある者からのつきまとい行為である。交際相手(元交際相手を含む。)からの行為が約半数の50.5%を占め次いで夫婦(元夫婦や内縁関係にあるものを含む。)間のつきまとい行為が約15%となっている。

※「密接関係者等」とは、「ストーカー行為者から好意や怨恨の感情を抱かれている者(=特定の者)」の配偶者や親族、友人や上司等で、特定の者の身上、安全等を配慮する立場にある者。

つきまとい行為の傾向(重複計上あり)
つきまとい、待ち伏せ等(32.7%)、面会、交際等の要求(29.9%)が全体の6割を占めており、次いで無言電話や拒否後の連続電話等(18.6%)が多い。

つきまとい行為の動機
動機としては、好意の感情が88.8%、好意の感情が満たされないことによる怨恨の感情が9.6%と全体の98.4%を占めている。

一般的に被害者が何らかの被害に遭った場合、警察に「被害届」を出したりします。「被害届」には警察の捜査義務は生じません。しかし、告訴状を警察が受理した場合、警察には捜査義務が生じます。しかし、告訴状を提出する場合、その事件についての証拠を添付しなくてはなりません。

また、被害者ではない第三者が警察に対して処罰を申告することを告発と言います。しかし、強制わいせつ罪(刑法第176条)や名誉毀損罪及び屈辱(同法第232条、230条)、ストーカー行為等規制法は親告罪となりますので第三者が告発しても警察は動いてはくれません。

深刻な被害にあっているのに、警察が被害届を受理してくれない……。こうした警察による被害届の不受理はざらにある。被害届が受理されないケースの多くは、犯罪を証明する証拠がないのが理由だ。主観的に被害を受けたと感じることと、証拠に基づき客観的に被害を証明することは別。この点を理解しておかなければいけない。

また、ストーカー被害の訴えのかなりの割合は、精神的な障害を抱えている人の妄想である場合がある。つまり、多くの妄想の中にストーカー被害の事実がまざっているので、警察としてはますます「客観的な証拠を持ってきてください」という話になる。

メールや手紙、あるいはつきまとう様子を撮影したビデオなど、具体的な証拠があれば警察もすぐに動ける。日記やメモ類でもよい。逆に長期間ストーカー被害を受けているにもかかわらず、何も証拠が残っていないのは不自然と受け取られるだろう。ただし、証拠を揃えて訴えても被害届が受理されない場合がある。これは警察の怠慢によるもので、背景には現場の警察官の多忙さがある。

では、本当に被害にあっているのに被害届が受理されないときはどうすればいいのだろうか。弁護士に相談するのも一つの手段だが、費用がかかるうえ、やはり状況証拠がなければ「難しい」と言われて終わりである。なお、ありがちな勘違いは、被害届を出せば警察がすべての証拠を集めてくれるという思いこみである。だが、情報を一番持っているのは被害者であり、被害者が情報提供しない限り証拠は集まらない。

しかし被害者としては、つきまとう様子を撮影することなどは殆ど不可能に近い。そのような状況化においては恐怖が先行しており撮影する余裕などないのが現状である。

また、ストーカー行為等規制法にも法の抜け道が存在しているため、法を熟知している犯罪者は抜け道を利用して犯罪行為に及んでくるので警察は太刀打ちができなくなる。犯罪者が口にする言葉で、法律が明確になればなるほど犯罪はやりやすくなるという。厄介である。

実はストーカー行為の半数以上が、交際相手や元交際相手、夫婦や元夫婦や内縁関係である。そもそも、ストーカー行為に及ぶ人間には、それなりの要素が存在する。その要素とは、「親しみを感じた相手との関係に固執し、壊れそうになることを極度に嫌う粘着質のタイプです。

相手に過剰依存する傾向が強く、誰かと接点を持っていないと不安でしょうがないとも言えます。何か事が起こると、嫌われまいとして必死に追いすがろうとします。その反対に傷つけられたことに恨みを抱く場合もあります。

もし、日々の生活で何らかの意見の衝突があり、どちらか一方が別れを告げたとします。すると、その時の言動パターンは大きく二つに分類されます。一つは、自己弁護しながら和解を求める。もう一つは、攻撃的な行動で相手を追い詰め、心そ操作して逃げ出せないようにすることです。

日頃の会話においても、その言動パターンは見られます。「常に詮索する」「常に疑う」「非難する」といった意思表示を垣間見ることができます。

このタイプは見捨てられる恐怖から、現実を理解することはなく、関係を維持することで現実への直面を避けようとします。関係を終わりにしようとすればするほど、どこまでも追いかけ、あらゆる方法で関係の修復を図ります。とにかく、相手を恐怖に落としい入れ心を支配しようとします。

執着敵な攻撃は安心を感じることができるまで続けられます。ここで、注目すべき点は、自分が嫌われているという自己意識が心の片隅にあることです。しかし、自分で自らの行為を止めることができず、現実を受け入れることが怖いがためにしつこく追いすがります。

その他の特徴としては、「嫉妬」があります。自分の好意(愛する)をよせる相手が他の人に関心が向くことを恨む、もしくは憎むという心理です。簡単にいえば「やきもち」です。そうすると、裏切られたという挫折は怒りへと転じ、「裏切り者には制裁を加える」という自己正当化により、脅迫行為が平然と行われます。

このタイプを分析すると以下の点が導き出せます。

@ 常に誰かを疑い、詮索、非難する意思表示が見受けられる。
A 言動に嫉妬心の異常な強さや過度の束縛を感じる。
B 衝突の際、過剰反応を見せ、攻撃を仕掛けてくる。
C 自己弁護しながら和解を求めてくるか、攻撃的な言動で相手を追い詰める。
D 執念深く、粘着的な言動を好む。
E 反論や注意をすればするほど、言動をエスカレートする。
F 嫉妬深く、独占欲が強い。

これらの、言動や行動が見受けられた場合は、できるだけ早い段階でつき合い方を考えた方が良いでしょう。適当な距離を置くか、つき合いをやめることが懸命です。断る場合は意思を早い段階に明確に伝えるようにします。

もし、こちらが明確な意思を伝えたのにもかかわらず、相手がしつこく反論してくるときは、脅威が高まります。この情況では誰であっても距離をあけるしか方法はありません。また、他人を攻撃するだけでなく、自虐行為に走る相手なので注意が必要です。場合によっては、自虐行為をもって相手を脅迫し気を引くこともあります。

このタイプはコミュニケーションが下手で、信頼関係を構築するのは苦手な傾向があります。仕事においてもトラブルを起こしやすく長続きしない傾向にあります。このタイプから身を守るには、自分自身の直感を信じて、何か疑いを感じたら、その直感を素直に受け入れ、早期に予防することに尽きます。


posted by 松田英貴 at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 危機管理
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