2012年10月12日

日本が先端技術をリードできない仕組み


2012年10月8日、京大の山中教授がiPS細胞研究の功績にて2012年度のノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれました。これで、再生医療研究が日本が世界でトップレベルに達したことになります。

しかし、万能細胞技術体系と言えば米国覇権産業(軍事、航空宇宙、エネルギー開発、情報通信、ライフサイエンス、食糧など)ライフサイエンスの中核技術であり、米国覇権産業論の立場から、この分野で日本の覇権を許すことは絶対にないと考えます。

なぜなら、米国覇権産業はライフサイエンス、バイオテクノロジーを軍事技術のひとつと認識しており、生物化学兵器および、その防御技術にライフサイエンスとバイオテクノロジーは必要不可欠となります。

過去に米国クリントン政権は、ES細胞(胚性幹細胞)の研究に国家研究開発予算(公的資金)を投資していたが、2001年ブッシュ政権は発足以来、ES細胞研究への公的資金投資を禁止したそうです。その禁止理由はES細胞作製に受精卵を使用するので、生命倫理に反するという理由でしたが、

※2001年当時、ブッシュ政権の国家技術戦略の最高責任者であったのが、元国防長官であったラムズフェルド氏です。

ラムズフェルド氏は米国連邦政府の国益(具体的には寡頭勢力の私益)に直結する先端技術戦略に極めて精通していると推測されますから、ES細胞やiPS細胞に関する国家技術戦略に極めて重視しているため、「生命倫理」を禁止理由とするには無理があるかと考えた方が正しいかと思います。

逆説として考えると、ES細胞の公的研究投資(パブリック・リサーチ)を禁止したということは、国家機密研究(クラシファイド・リサーチ)として、連邦政府直轄の国立研究所で密かに研究されている可能性が極めて高いと思われます。

もし、万能細胞研究が米国連邦政府のクラシファイド・リサーチ(国家機密研究)に分類されているとすれば、その研究の核心部分が米国の大学などでオープンな公的資金で行われることはなく、その研究結果が世界に公表されることも一切ないはずです。例え、万が一公表されたとしても全く差支えないの無い部分に限られるはずです。

2007年の万能細胞研究競争で、京大山中教授のライバル、ウィスコンシン大のジェームス・トムソン教授から山中教授にメールが入り「競争に負けたのは悔しいが、勝った相手が山中たちでよかった。」とコメントがあったそうですが、本当に心からそのように思い発言したとは思いません。

なぜなら、米国覇権の先端技術でアジア(特に日本)がリードすることを、彼らは絶対に許さないからです。


※ 日本人研究者の森口尚史氏が人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床応用を実施したと読売新聞が11日付朝刊で報じた。これに対して、森口氏が客員講師を務めた米ハーバード大と、患者への治療を実施したとされるマサチューセッツ総合病院は同日、「森口氏の一切の臨床試験は、我々が承認したものではない」との声明を発表した。

ハーバード大学は11日、森口氏について声明を発表した。それによると、森口氏は「99〜00年にかけてマサチューセッツ総合病院の客員研究員だったが、それ以来、同病院やハーバード大とは関係がない。森口氏の職務に関わる臨床試験は、同大学あるいは総合病院の審査委員会により承認されたものではない」としている。

※ 2012年7月31日、東京地検特捜部は京大前教授・辻本豪三博士を収賄容疑で逮捕(ゲノム創薬研究第一人者であり、京大薬学部の最先端創薬研究センター長を務めていたほどの人物。

※ 90年代末に発生した、岡本卓・元理化学研究所研究員遺伝子スパイ容疑事件。アルツハイマー病遺伝子の研究者であり、アルツハイマー遺伝子サンプルを留学先の米国研究所から盗んで日本に持ち帰ったという国際スパイ容疑をかけられたと記憶しています(もちろん、本人は否定している)。



posted by 松田英貴 at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題
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