2012年01月16日

日月警備保障6億円強奪事件の情報源


東京都立川市の警備会社「日月警備保障」立川営業所で約6億円が奪われた事件で、営業所の内部事情を犯行グループに伝えたとして、強盗致傷容疑などで逮捕された同社の元契約社員の容疑者(44)が「営業所の見取り図を渡せば、分け前をよこすといわれた」などと供述していることが23日、捜査関係者への取材で分かった。

容疑者が金を受け取った形跡はなく、警視庁立川署捜査本部は、分け前を得られなかったとみている。

捜査本部によると、東松容疑者は、「平成17年に入社した時点で(侵入路に使われた)営業所の腰高窓の鍵は壊れていた」と供述。 事件の約2年前にも、経営する美容院の客だった容疑者(41)らに「簡単に大金が盗める」などと話したという。

捜査本部の調べでは、首謀者として逮捕、起訴された被告(42)が昨年秋、この話を聞き、より詳しい情報を引き出すよう容疑者らに指示。元契約社員の容疑者は情報を流す一方、報酬を求めたとみられる。捜査本部によると、元契約社員の容疑者は経営していた美容院が行き詰まって閉店し、金に困っていたという。

この事件は、昨年に発生した警備会社関連でも被害度の大きかった事件である。しかし、これらの事件は、どの警備会社にとっても対岸の火事ではない。

警備員になるには、次の欠格要件に該当しない人であれば警備員になる事ができます。

•18歳未満の者
•成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
•禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
•最近5年間に、この法律の規定、この法律に基づく命令の規程若しくは処分に違反し、又は警備業務に関し他の法令の規定に違反する重大な不正行為で国家公安委員会規則で定めるものをした者
•集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
•暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第12条若しくは第12条の6の規程による命令又は同法第12条の4第2項の規程による指示を受けた者であって、当該命令又は指示を受けた日から起算して3年を経過しないもの
•アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
•心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定められるもの

新任教育(新たに警備業務に従事するために必要な教育です。)

・基本教育15時間以上
・業務別教育15時間以上
・計 30時間以上

現任教育(現任者に対し前期・後期の年2回実施します。)

・基本教育3時間以上
・業務別教育5時間以上
・計 8時間以上

以上、これらの条件をクリアすれば、誰でも警備員になれます。アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者の判定は医者がするのですが、あくまでも自己申告であり適当なものです。心身の障害においても同等です。

一般の企業でも、一定の研修や使用期間を経て現場に立ち、一人前になるには最低でも1年間を要するはずですが、警備員に限っては、30時間の法定教育をクリアさえすれば、即日警備員として現場に立つことが可能であり、これが現状です。

当然ながら、依頼者はこのような現状を知る余地がありません。また、派遣されてくる警備員を選ぶこともできません。高額な契約料を支払い、まともな警備員が派遣されてこない。このようなことが日常的に行われていることを依頼者は知っているのでしょうか。

本来であれば、適正試験により、メンタル面や業務面についての的確な判断が必要とされるはずなのですが、日本の警備業においては、それらの試験は行われることなく業務につくことになります。これは欧米諸国では考えられないことです。

確かに、「ここは欧米ではない!日本だ!」と言う人もいるかのしれませんが、「安全」を考える上では、法律や環境が多少変われども、考え方はほとんど変わらないはずです。それを頑なに否定する人もいますが、そのような人に限り、危機管理の意味が理解できていません。

話は警備員に戻しますが、このように、法定研修が終われば即日現場に立ち、現場の先輩の簡単な業務指導の下、業務に入るわけです。中には、即新人に業務を任せてしまう所もあるくらいです。任された新人はたまったもんじゃないですが、数日間も過ぎれば慣れたもんで、全ての業務を何なりとこなせてしまうほどです。

最初の内は危機管理業務であっても、いつしか一般業務に変わっているのが事実です。交通誘導は、警備と言えるかどうか疑問ですので、ここでは取り上げませんが、施設警備に至っては、まさしく一般業務そのものです。決められた時間の立哨や定期巡回がそれに当ります。

そもそも、「何も無いであろう」が前提ですから、業務中は、昼飯のこと、休憩のこと、次の休みは何して過ごそう・・・ぐらいしか考えていないません。待機中に菓子を食っている、テレビを見ている、ゲームをしている、居眠りをしていると・・・人によって様々な時間の使い方があります。

依頼人が見たら、果たしてどうなることやら・・・

こんな感じですから、最悪、緊急事態が起きたら、そりゃ大変です。マニュアルもろくに読んでいませんから、何をどうしたら良いかわかりません。勿論、臨機応変などと言う言葉を知る余地もありません。たとえ、上手く事態を乗り越えることができたとしたら、「運が良かった」以外何もありません。

本来、警備の仕事は素晴らしい仕事であり、特殊なスキルを持ち合わせた人以外はできないはずなのですが、あまりにも適当な研修や、全く適正が関係ないことから、「誰にでもできる」、あげくの果てには、「定年を迎えたお爺さんの仕事」と言われています。

しかし、それ以上に警備員の人達の動機や素行が警備業の質を低下させていることも事実です。動機の中で、もっとも多いのが、「ボクにもできそうだったから・・・」です。

そのような動機で仕事をしている警備員は、日々、時間の過ぎるの待ち、何も考えずに勤務を終える。そして、いつしか数年が経ち、辞めたはいいが、何もスキルを持ち合わせていないため、他の仕事にもつけず、再び警備の仕事に舞い戻る。このような流れを歩む人が非常に多いのです。

しかし、中には、待機時間や明け、公休を上手に利用し、自らの意志で、セキュリティの知識やスキルを高めた結果、会社に認められ幹部に昇進した人や自ら警備会社を開業した人もいます。また、行政書士や司法書士などの資格を取り、後に開業した人もいます。

このように、警備の仕事をしながらでも、セキュリティのスキルや他のスキルを高めることは十分可能です。セキュリティのスキルを高めれば、仕事に対する興味が高まり、仕事に誇りが持てます。そして、そのことが、警備業自体のレベルをあげることに繋がるわけです。

現在、私は何も目的も持たず、ただ漠然と警備の仕事をしている人達を対象とした研修を行っています。その全ての人達が危機管理の仕事を通じ、新たなる自分の目標を持ち、警備業や他の仕事で活躍をしています。なぜなら、危機管理のスキルがありとあらゆるビジネスシーンにおいても通用するからです。


posted by 松田英貴 at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題
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