2012年01月05日

目標を指示するが、やり方は指示しない。


ボディ・ガードの任務遂行にあたって、指示の出し方で最も大事な点は、「任務の遂行方法を詳細には指示しない」ことにある。代わりに「目標」を明確に指示する。

ボディ・ガードのプロは、任務の実行方法の決定は実行者に任せている。なぜなら、予測不可能な事態が考えられる環境で、目的を遂行するための特定の手段が突然使えなくなっても、目的さえよく理解しておけば、別の手段を講じられるようにである。

大半の組織の管理職は、職務を遂行させるための方法を部下にきちんと説明したがる。そうしないと、部下が非効率な方法で実行する危険性が高くなるのと、失敗を恐れるからである。しかし、あえてこうしたリスクを引き受けている。

※ そもそも、管理職が、様々な状況に対応する従業員に対し、「こうしなけらばならない」という型にはまった指示を出すことに問題がある。いくら優れた規定を普及したとしても、部下が直面しうる全ての状況をカバーすることは決してできない。

「規定を増やしたところで、問題解決にはつながらない。規定自体に問題があるのだから」

もし、「実行方法」について、一から十まで指示する必要がるとしたら、そんな部下(隊員)は必要ない。なぜなら、私たちの任務は、信頼に基づき行動している。部下がやれると言えば、私はそれを信じるし、部下も、私が課した任務は適切であると信じてくれるはずである。

任せることのできない人は、何人でチームを組もうが一人でやっているのと同じである。任務を遂行させるにはチーム一丸となり、互いを信頼し合って行動しなければならない。

当然ながら、各種防衛方法(実行及び手順)などについての膨大な知識が与えられる。しかし、これらの知識は、意思決定を行う際の根拠にはなっても、現実の予期せぬ事柄に対処するための、詳しい処方箋にはなりえない。

厳密な処方箋は、決まりきった行動や任務には役にたつが、緊急時にはほとんど役に立たないのである。しかし、我々は、決まった行動や任務においても、いつでも規定を破り、臨機応変の対処できるようには訓練されている。緊急時においてはなお更臨機応変さが重要である。

「複雑なシステムがどう動くかを、正確に予測することはできないが、システムが行き着くかもしれない事態を知る方法なら、ある」

「目標」を重んじることにより、出来事の順番を決めて特定の結果を得ることはできなくても、結果事態を選べないわけではないから、それに至る無数の道を通れるようにしておくだけでいい。


posted by 松田英貴 at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑学
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