2011年12月14日

ボディ・ガードで学んだ「ホスピタリティ」その7


ボディ・ガードにとっては情報が命とも言えます。サービス業でいう「ニーズの先読み」をするにあたり、クライアントから事前に情報を収集することは先に述べました。しかし、誰にも内緒にしておきたいことはあるものです。

当然ながら、ボディ・ガードといっても他人には変わりがないので話したくないことや知られてほしくないことはたくさんあります。しかし、このことがクライアントが危険に巻き込まれるきっかけともなりえるのです。

ボディ・ガード仲間から聞いた話です。その依頼人には愛人と思われる女性がいました。当然ながら、そんなことボディ・ガードにはなかなか話すことはできません。しかし、ある時ボディ・ガードには内緒で行き着けの飲食店で会っているところを脅威対象者に見つかり大変なことになってしまいました。

夜中に依頼者から電話があり、大変なことになってしまったので急いで来てほしい。お店は特定できていたので、駆けつけてみると、依頼者と見知らぬ女性、そして脅威対象者とその仲間と思われる人物が2名が、大事には至らなかったが、もう少し遅かったらどうなっていたことやら。

しかし、事前にボディ・ガードがこのような情報を収集していたとしたら、このようなことに巻き込まれることはなかったでしょう。これは完全にボディ・ガードのミスでもありますが、情報を全て開示しなかったクライアントの責任でもあります。このように、守る側と守られる側が互いに協力しなければ全ての危険を回避することは不可能となります。

このように、クライアントが全ての情報を開示してくれるとは限りませんので、如何にして隠された情報を探り出すかもボディ・ガードのテクニックになります。サービス業で言えば「顧客の隠されたニーズの引き出し方」に当たるわけです。

与えられた情報から推測し、隠された情報を引き出す。手法としては、ホット・リーディング(事前に下調べした情報)やコールド・リーディング(事前に下調べなどをせずに、その場で情報を得る)といった手法を使い情報を探ります。しかし、そこにはクライアントとボディ・ガードの間に信頼感がなければ、情報を得ることは難しいと言えます。

考えても見て下さい、会って間もない相手に大事なことや内緒のことを気軽に話すでしょうか。互いの「信頼関係」が生まれていなければ、何を言っても信用されないばかりか、言っても主張(助言)は通りません。しかし「信頼関係」を築けば主張(助言)が通るだけではなく「好意」をもって接してくれるようになり、人間関係がスムーズになります。

良い人間関係は「信頼関係」の上に成り立っているといえるでしょう。当然、サービス業においても同様であり、サービスをする方とサービスを受ける方にもこのような関係が成り立っていなければ顧客は満足はしないはずです。

クライアントはVIPと呼ばれる人がほとんどであり、それなりに地位や名誉がある人達ですから、ペラペラと情報を開示してくれるはずがありません。当然、直接質問したとしても求めた回答が得られる可能性は低い。しかし、会話の中から、さりげなく探りながら相手の情報を引き出す「フィッシング」といった方法を使います。実際には質問をしていながら、相手にそれを質問だと感じさせない方法です。

これは、情報を求める質問をするのではなく、最初に情報を出しておいて、その後質問でその情報を確認するといった方法を使うと、質問に対して答えたのではなく、自分から答えてしまったことになります。

また、無口なクライアントにも一苦労します。そんな人には、最初は聞き役によりも自分の個人的なことを雑談風にしゃべると良いかもしれません。相手の情報を開示したければ、最初に自分の情報を開示するほうが先決です。また、話はスムーズでなければスムーズでないほど良い場合もあります。

ボディ・ガードは無口な印象がありますから、必要以上に話すぎるとクライアントのストレスになる場合があります。逆に話べたな方が、つまらないボディ・ガードの話にフラストレーションを感じ、自分のことを話題にし始めます。そうすると成功です。このように相手に情報を開示させるテクニックは山ほどあります。

相手はこのような雑談の中で話したことはあまり覚えていませんから、その情報をちょっとしたアプローチして使うと「感動」してくれるわけです。逆に質問形式で得た情報は相手は鮮明に覚えています。このように、情報はボディ・ガードにとっては「宝」となり、「ニーズの先読み」や「危機の予測」といった様々な場面で使うことができるのです。


posted by 松田英貴 at 14:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ボディ・ガード
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