2011年12月14日

ボディ・ガードで学んだ「ホスピタリティ」その6


サービスには「ニーズの先読み」が必要と言われます。お客さまが口にされないこと願いや希望を先読みして提供する。このことにより、お客さまは驚き、神秘的と感じ、高い満足感を抱くというものです。しかし、ボディ・ガードの世界では特に珍しいことではなく、当たり前に行われていることです。

ボディ・ガードが「ニーズの先読み」をする理由は、「危機の予測」と「時間の短縮」ためです。

ボディ・ガードは依頼を受けると同時に、クライアントの情報収集を徹底的に行います。氏名、性別、生年月日、血液型、住所は勿論、家族構成、職業、既往歴、常用薬、趣味、趣味、身体的特徴、スケジュール、いきつけの店など(この限りではない)ありとあらゆる情報を収集します。この時点で、クライアントにはプライバシーはほとんど無くなります。

しかし、これらの情報が事前にあれば、クライアントの行動が高い確率で想像できます。また、四六時中、クライアントと一緒に行動をしていると、いつしかクライアントとの同調が生まれ、口にださなくとも「今、求めていること」がわかるようになります。

事前情報を得ることにより、状況によりクライアントが何を欲しているのかがわかってきます。事前に用意することにより、、逐一聞くことなくなり「時間の短縮」に繋がるわけです。よって、車や私のポケットには、できる限り用意できる物は用意するように心がけています。

時間の短縮により、無駄な行動が無くなり、いち早く目的地に到着することができます。私たちが最も注意しなければいけない瞬間は建物の出入りと車への乗り降りの瞬間です。この瞬間が最も緊張する瞬間でもあります。襲撃の80%はこの瞬間に行われています。

この瞬間は、比較的また、動きが止まっている時も同様に注意しなければいけません。止まっているということは「ロック・オン」されやすくなるわけです。

よって、タバコを買うためだけに車を止めるリスクを考えれば、それらを予め用意しておくことでリスクを回避することに繋がるわけです。

お店の選定においても、安全を第一に考え、クライアントが好みそうな店を選定し、心地よい席を予約し、好みのワインを用意しておきます。これは、危機的状況下においても、出来る限りストレスの無い普段通りの生活をして頂くためにもこれらの行動が必要となるわけです。多分、クライアントは「気配り」ぐらいにしか感じていないと思います。

「危機の予測」においてもボディ・ガードはクライアントのスケジュールを把握していますから、どのような行動を取るか事前予測できています。目的地(例えばホテル)に到着すれば、先着しているボディ・ガードが出迎え部屋へと誘導しますが、その間、クライアントの足が止まることなく部屋まで行くことができます。

通常であれば、チェックインなどの面倒な手続きもありますが、それらは事前に済ませてあるため自分で行う必要はありません。導線と呼ばれる到着から部屋までのルートも、状況により一般客に目に付かないルートを使用することもありますから、全く障害がなく、かつ最も早く部屋に到着できるわけです。

当然ながら、部屋に到着すれば、次の行動への準備がなされているわけですから「いたれりつくせり」といった具合です。これらが、ボディ・ガード流「ニーズの先読み」であり、お客さまが、今、求めていることだけではなく、「お客さまの5分後のニーズ」や「30分後のニーズ」そして、「数時間後のニーズ」までも先読みして、それに対して準備をして行動に移すのです。


posted by 松田英貴 at 14:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ボディ・ガード
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