2011年12月14日

ボディ・ガードで学んだ「ホスピタリティ」その5


私のクライアントにとてもワイン好きの人いました。食事の時には必ず好んで飲まれるワインがありました。ある日、滞在先のホテルで食事をすることになりましたが、そこのお店にはいつも飲まれるワインがないことを知りました。そこで私は特別にお願いをしてそのワインを用意して頂きました。

中には、そこまでやる必要は無いと言う人もいますが、これは、サービスとして行っている行為ではなく、あくまでも危機回避のためです。なぜなら、強引なクライアントであれば、好きなワインがなければ、置いてあるお店に行くと言いかねません。当然ながら、置いてあるお店もセレクトしておきますが、できることならホテルで済ませて頂いたほうがリスクが少なくて済みます。

私たちとしても、クライアントには出来る限りホテル内で食事を済ませて頂くようにお願いはします。その際にはホテル側にも無理をお願いすることもありますので、可能な限り私たちの無理を聞いてくれるホテルをセレクトするのもボディ・ガードの仕事です。

よって滞在先では、私たちの無理を聞き入れてくれるホテルを数件セレクトしておきます。また、飲食店やその他の店においても同様であり、クライアントの好みに応じたお店を何件かセレクトしておきます。万が一予約が取れない場合もありますので、その辺も滞在の数週間前にリサーチを済ませておき、直前になってあたふたしないようにします。

当然ながら、最初はクライアントもこのようなことにも気遣っているなどとは知る余地はありません。メニューにも載っていない好みのワインが用意されていたり、コース料理で、クライアントが食べられない食材なども、予め違う物に取り替えておくといったことも時折します。それを後で知ったクライアントの思いは「感動」以外のなにものではありません。

このように、ボディ・ガードは黒子的な仕事に90%の力を注ぎます。多分、一般の人がイメージするボディ・ガードの姿は、残り10%の派手な姿だけだと思います。

しかし、何度も言うようですが、これはサービスではなく、全て危機の回避や時間の短縮を考えて行っている行為だと理解して下さい。これが、直前になり、「私の好きなワインが無い」とか「これは食べられないから取り替えてくれ」などと揉められては、それこそいらぬリスクとなりますし、そんな時に問題でも発生したら、それこそ厄介になります。

だからこそ、このような無駄な時間を省き、スムーズに食事を終え、部屋に帰って頂くことがリスク回避に繋がるのです。これらの行為もボディ・ガード流「心配り」の一つといえます。


posted by 松田英貴 at 14:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ボディ・ガード
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/51871294

この記事へのトラックバック
spacer.gif
spacer.gif