2011年12月14日

ボディ・ガードで学んだ「ホスピタリティ」その3


ボディ・ガードとしての「心配り」とはいったい何か。ボディガードの仕事には危機を回避する以外にも大切なことがあります。それは、クライアントの品位、名誉、地位を守ることです。

私の体験談ですが、ある日クライアントが接待の席でかなり酔ってしまったことがありました。当然ながら、周囲の目もあり、誰が見ているのかもわかりません。見つかれば、マスコミにとっては、その光景がスクープ記事となるでしょう。

そこで私は、お店の人に頼んでお酒の量を少なめに入れてもらうことにしました。酔っていれば、量を少なくしてもほとんど気づかれません。しかし、クライアントの行動は時間の経過とともにエスカレートし収拾しない状態となったため、帰ることをクライアントに勧めましたが、当然ながら酔ったクライアントには私の忠告も耳に入りません。そこで、私は仲間を呼び半ば強引にクライアントを店から出しホテルへと向かいました。クライアントはそのまま熟睡。

朝になり、私はクライアントに呼ばれました。怒られる覚悟でクライアントの部屋に行き、昨日の状況を説明しました。しかし、驚いたことに怒られるどころか、逆に感謝され、結果、信頼を得ることに繋がりました。

もし、その時に私が何もせずにいたとしたらどうでしょうか。多分、クライアントの品位や名誉は失われ、それと同時に私の信頼も失われ、あげくの果てには解雇になっていたかもしれません。

しかし、私のとった行動は、クライアントを心配しての行動であり、ボディ・ガード流の「心配り」なのです。ただ、命を守っていれば良いのではなく、品位、名誉、地位をも守ることができるのが本当のボディ・ガードなのです。地位や名誉がある人にとっては、それらを失うことは、命を失う以上に辛いことかもしれません。

また、ボディ・ガードは必要に応じ、時折アドバイスをすることもあります。例えば、クライアントの言動や行動が品位、名誉、地位を汚すと感じられたときです。これも、心配りです。その他にも法律についてのアドバスをしたりもします。また、怪我をしたら応急処置をすることもあります。

従って、ボディ・ガードは、優秀な秘書であり、弁護士であり、主治医のような存在でもあるのです。これらも、クライアントを心配するからこその心配りです。

こんな話もあります。アメリカの歴代の大統領は、大統領が最も大統領らしく見えるように演出されます。これは、大統領の品位を保つことに繋がります。よく注意して見るとわかると思いますが、大統領の直近についているボディ・ガードは、均整がとれ甘いマスクのイケメンが多いと感じたことはありませんか?果たして、これは単なる偶然でしょうか?これも演出だとしたら凄いことだと思いませんか。

その他にも、ボディ・ガードは自らの服装や装飾品、姿勢や歩き方、そしてマナーなどについても気を使わなけれなりません。そして、自分たちの言動や行動においても細心の注意を払い、クライアントの品位を落とすことがないようにしなければなりません。

このように、ボディ・ガードはあらゆる状況下において、クライアントを気遣いつつ、危機に巻き込まれないように、そして、普段と変わりない生活をしてもらうために心がける必要があります。これができなければ、ディ・ガードは勤まらないのです。


posted by 松田英貴 at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ボディ・ガード
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