2011年11月27日

ストーカー被害の現状


平成12年5月18日、「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」として成立し、11月24日から施行されました。

この法律はストーカー行為等を処罰するなど必要な規制と、被害者に対する援助等を定めており、ストーカー行為の被害から守るためのものです。

しかし、ストーカー被害の認知件数は年々増加傾向にあり、行為がエスカレートし殺人事件に及ぶことも少なくははない。

被害者、行為者の年齢構成
平成22年、被害者の性別は,女性が90.8%(過去5年間)を占めており、20、30歳代が全体の約63.3%を占めている。行為者は、20歳代(34.6%)が最も多く、次いで30、40歳代が多い。

被害者と行為者の関係
面識のない者から、あるいは行為者の判明しないストーカー相談は約6%と少数であり、ほとんどは面識ある者からのつきまとい行為である。交際相手(元交際相手を含む。)からの行為が約半数の50.5%を占め次いで夫婦(元夫婦や内縁関係にあるものを含む。)間のつきまとい行為が約15%となっている。

※「密接関係者等」とは、「ストーカー行為者から好意や怨恨の感情を抱かれている者(=特定の者)」の配偶者や親族、友人や上司等で、特定の者の身上、安全等を配慮する立場にある者。

つきまとい行為の傾向(重複計上あり)
つきまとい、待ち伏せ等(32.7%)、面会、交際等の要求(29.9%)が全体の6割を占めており、次いで無言電話や拒否後の連続電話等(18.6%)が多い。

つきまとい行為の動機
動機としては、好意の感情が88.8%、好意の感情が満たされないことによる怨恨の感情が9.6%と全体の98.4%を占めている。

一般的に被害者が何らかの被害に遭った場合、警察に「被害届」を出したりします。「被害届」には警察の捜査義務は生じません。しかし、告訴状を警察が受理した場合、警察には捜査義務が生じます。しかし、告訴状を提出する場合、その事件についての証拠を添付しなくてはなりません。

また、被害者ではない第三者が警察に対して処罰を申告することを告発と言います。しかし、強制わいせつ罪(刑法第176条)や名誉毀損罪及び屈辱(同法第232条、230条)、ストーカー行為等規制法は親告罪となりますので第三者が告発しても警察は動いてはくれません。

深刻な被害にあっているのに、警察が被害届を受理してくれない……。こうした警察による被害届の不受理はざらにある。

被害届が受理されないケースの多くは、犯罪を証明する証拠がないのが理由だ。主観的に被害を受けたと感じることと、証拠に基づき客観的に被害を証明することは別。この点を理解しておかなければいけない。

また、ストーカー被害の訴えのかなりの割合は、精神的な障害を抱えている人の妄想である場合がある。つまり、多くの妄想の中にストーカー被害の事実がまざっているので、警察としてはますます「客観的な証拠を持ってきてください」という話になる。

メールや手紙、あるいはつきまとう様子を撮影したビデオなど、具体的な証拠があれば警察もすぐに動ける。日記やメモ類でもよい。逆に長期間ストーカー被害を受けているにもかかわらず、何も証拠が残っていないのは不自然と受け取られるだろう。

ただし、証拠を揃えて訴えても被害届が受理されない場合がある。これは警察の怠慢によるもので、背景には現場の警察官の多忙さがある。

では、本当に被害にあっているのに被害届が受理されないときはどうすればいいのだろうか。弁護士に相談するのも一つの手段だが、費用がかかるうえ、やはり証拠がなければ「難しい」と言われて終わりである。

なお、一般にありがちな勘違いは、被害届を出せば警察がすべての証拠を集めてくれるという思いこみ。だが、情報を一番持っているのは被害者であり、被害者が情報提供しない限り証拠は集まらない。

しかし、被害者としては、つきまとう様子を撮影することなど不可能に近い。そのような状況化においては恐怖が先行しており撮影する余裕などないのが現状である。


posted by 松田英貴 at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑学
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