2011年11月01日

TPPの最終目的は関税に関わる非関税障壁の撤廃である。


野田総理は2011年11月上中旬のAPECを間近に控えています。しかし、国民的コンセンサスはまったく取れていない。

TPPに待ったを掛けるJA農協が1100万人もの反対署名を持っていること、そして350名超のTPP反対表明議員のリストをJAが公表しているにもかかわらず、野田総理は、APECにおいて強引にTPP参加を表明する可能性が高くなった。

かつて前原外務大臣(当時)は、「農林水産業のGDP比はわずか1.5%。この1.5%を守るために、残りの98.5%を犠牲にしていいのか」という意味の発言をした。

この発言が盛んにマスコミに取り上げられたもんだから、TPP反対=農業を守ること、TPP推進=工業輸出を伸ばすことと勘違いした。

例えば、米を例にあげてみると、日本はコメに高い関税をかけてる(700%以上)。TPPに入ると、関税がなくなって、外国から安いコメがたくさん入ってくるだろう。安いものに飛びつく消費者は多いから、日本のコメが売れなくなって、日本のコメ農家には大打撃だ。だから、TPPは日本の農林水産業に打撃を与える、というのは間違ってない。

しかし、TPPに入らなかったら、残りの98.5%は本当に犠牲になるかと言えばそうでもない。日本が輸出で稼げるものといえば、自動車、家電製品など(「耐久消費財」と呼ぶよ)が主。では、耐久消費財の輸出額はどれだけかというと、GDP比1.652%しかない。

この数字から見ると、農林水産業の1.5%とほとんど変わらない。輸出業全体でもGDP比は11.5%しかない。国内でのサービス業(GDP比20.8%)や卸売・小売業(同13.1%)の方が、日本経済で大きな比重を占めている。日本は貿易で食べている国というよりも、内需(国内の需要)でもっている国なんだ。

残りの98.5%が犠牲になるなんて、大嘘にもほどがある!

では・・・TPPの目的とは何か?

「非関税障壁」の撤廃である!

TPPに入ると「関税」を撤廃するだけじゃなく「非関税障壁」も撤廃しなくちゃならない。これが一番の問題である。「関税」があると値段が高くなってモノが売りにくくなる。これはモノを売りたい人にとっては「障壁」つまり邪魔になるまけである。外国にモノを売りたい人にとって、「関税」以外の邪魔モノが、すべて「非関税障壁」になるということである。

例えば、「健康保険」というサービスを日本に売り込みたいアメリカの保険会社があったとする。ところが日本には国民皆保険制度がある。会社員やその家族は「社会保険」に、自営業の人は「国民健康保険」に入っているから、これ以上健康保険なんて必要ない。だから、アメリカの「健康保険」なんて誰も買わない。

これは、アメリカの保険会社にとっては明らかに商売の邪魔になる。

だから、TPPに加盟すると、そのうちにアメリカの保険会社が、自社にとって都合のいいように「国民皆保険制度を廃止せよ!」と言ってくる可能性も否めない。

それでも日本政府が国民皆保険制度を廃止しない、と言い張るとどうなるか・・・

アメリカの保険会社は日本政府を裁判で訴えることができる。その判定をするのは世界銀行の中に事務局がある「国際投資紛争解決裁判所」である。

この裁判所の判断基準は、自由貿易のルールに則っているかどうかだけ。それが日本人のためになるかどうかなんてまったく考慮してもらえない。そして、日本政府が負けたら、賠償金を支払うか制度を変えなければならなくなる。

ということは、せっかく日本政府が日本国民を守るためにつくった制度や法律、規制などが、すべてなし崩崩壊させられてしまう。それぞれの国の法律以上に、外国企業の利益の方が優先される、そんな社会がやってくる。

国民が選挙で選んだ代表によって法律がつくられ、実行されていくという「国民主権」が崩れてしまう、ということであり、自分たちがつくった法律が、外国によって勝手に変えられてしまう。 そう考えると、TPP加盟によって、日本という国が崩壊してしまう、といってもいい。


posted by 松田英貴 at 10:26| Comment(0) | TrackBack(0) | TPP
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