2013年03月15日

TPPの本質は不平等条約


TPPの本質を見ると、想像を絶する不平等条約ともいえるものであり、TPP,FTAについて、アメリカ国内では合意してあるルールは適用しなくても良いとなっているのは、驚愕である。他国には、各国の国内法を無視して適用できて、アメリカ国内ではそれらは適用しなくても良いと既にアメリカでは立法措置がとられている。

投資家保護条項(ISD条項:Investor-State Dispute Settlement)

日本に投資したアメリカ企業が日本の政策変更により損害を被った場合に、世界銀行傘下の国際投資紛争仲裁センターに提訴できるというもの。国際投資紛争仲裁センターはアメリカがコントロールしているので提訴の結果はアメリカ側に有利になるのは自明の理である。この条項は日本にだけ適用されるようになっているので見事な不平等条項である。

ラチェット条項(Ratchet条項)

貿易などの条件を一旦合意したら、後でどのようなことが発生してもその条件は変更できないというルールである。つまり、一度決めた開放水準は後で不都合・問題があったとしても逆戻り出来ないという恐怖の条項。

例えば、牛肉などの農産物で、狂牛病や遺伝子操作作物で、健康被害が発生したとしても、それをもって輸入の禁止や交易条件、国内でのアメリカ産のものの規制はできないということだ。健康や安全のためがあっても、規制を緩和したらそれを元に戻して再規制するということはできないのである。

NVC条項(Non-Violation Complaint条項)

非違反提訴のことである。
つまり、米国企業が日本で期待した利益を得られなかった場合に、日本がTPPに違反していなくても、アメリカ政府が米国企業の代わって国際機関に対して日本を提訴できるというものである。違反が無くて、日本で期待した利益を得られなかった場合にも提訴できるというのが、恐ろしい部分であり、例えば、公的な健康保険分野などで参入などがうまくいかないと、提訴されて、国民健康保険などの公的保険制度が不適切として改変を求められるということにもなりうるものだこれを様々の分野でやれるということである。

スナップバック(Snap-back)条項

アメリカ側が相手国の違反やアメリカが深刻な影響ありと判断するときは関税撤廃を反故にできるというもの。例えば、自動車分野で日本が協定違反した場合、または、アメリカ製自動車の販売・流通に深刻な影響を及ぼすとアメリカが判断した場合、アメリカでの自動車輸入関税撤廃をアメリカが無効にできるというものである。関税の撤廃も、アメリカ企業に深刻な影響を与えるとアメリカ側が判断した場合はいつでも反故に出来るというすごい条項なのだ。これも見事な不平等条約の条項である

未来の最恵国待遇(Future most-favored-nation treatment)

将来、日本が他の国にアメリカよりも条件の良い最恵国待遇を与えたときは、自動的にその最恵国待遇はアメリカにも付与・適用される。何の交渉も不要でアメリカは最も条件の良い最恵国待遇を手に入れられることとなっている。アメリカの都合のみ良くなっている。しかも、これは日本側にだけ義務が生ずるという究極の不平等になっている(アメリカ側は日本にこれを補償しないという不平等が当然という仕組み)

ネガティブリスト方式

明示された「非開放分野」以外は全てが開放されるとするもの。すなわち、例外として明記されない全ての分野は全面的に開放され、アメリカとの自由競争にさらされるということである。だが、このリストが遵守される補償は無いようになっている。-次の項目を参照。

規制必要性の立証責任と開放の追加措置

日本が規制の必要性を立証できない場合は、市場開放のための追加措置を取る必要が生じるというもの(政府の立証責任)であり、その規制が必要不可欠であることを韓国側が「科学的に」立証できない場合は、無条件で追加開放しないといけないものである。

これは、例えば、お米をネガティブリストに当初加えていても、その規制が必要であることを立証できないと無条件開放させられるので、米もいつまでも規制対象とはなりえない。これは他の品目やサービスも同じことである。

アメリカの都合で次々と市場開放が行える仕組みが、TPPの本質である。

・・・文章転載・・・

posted by 松田英貴 at 12:10| Comment(1) | TrackBack(0) | 政治・経済

2013年03月10日

米告発番組が物議 リークされたTPP草案 売国の中身


米告発番組が物議 リークされたTPP草案 売国の中身
<「貿易自由化」は表向き、実質は米企業の“世界支配”>

TPP参加に突っ走る安倍政権への批判が噴出しているが、新たにとんでもない事実が判明した。米国と参加国の“秘密交渉”で詰められていた「TPP草案」が外部に流出し、そのデタラメ実態が白日の下にさらされたのだ。

問題のTPP草案は、米市民団体「パブリック・シチズン」がリーク情報をもとに告発したもの。米独立系放送局「デモクラシー・ナウ」の番組上で暴露された。その内容には驚きを通り越して、背筋が寒くなる。

告発によると、草案は全26章から成るが、日本で議論になっているコメなど貿易関連のテーマはわずか2章のみ。残りは、いかにして米国企業に強大な権限を与え、各国の権限を奪い取るかに割かれているという。

市民団体のロリ・ウォラック氏は、〈TPPは1%が大多数の人々の生存権を奪うツールだ〉とこう告発している。

TPPは表向きは貿易協定ですが、実質は企業による“世界統治”です〉〈各国が国内法や司法を使って権利を守ろうとしても、企業は別建ての司法制度を持ち、お抱え弁護士たちがインチキ国際法廷に加盟国の政府を引きずり出し、無制限の賠償を命じる〉〈地域産業の優先を禁じ、地産地消や国産品の愛好は許されない。環境や人権に配慮する商品も提訴されかねません〉

米企業は医薬品や種子の独占権を強化し、薬価をつり上げるため、後発医薬品(ジェネリック薬品)の販売を阻止する案も画策。各国の金融規制を緩和し、高リスク金融商品を禁止できなくする、とも警告している。

さらに、〈600人の企業顧問に草案へのアクセス権を与えながら、米上院貿易委員会も蚊帳の外。貿易協定という名の『企業の権利章典』の中身は見られない〉とも指摘。徹底した秘密交渉に加え、〈交渉内容は、締結後4年間は非公開という密約もあった〉というからムチャクチャだ。

15分間の告発番組には、米テキサス企業協会の関係者がパーティーでスピーチをしている映像が流される。その内容も仰天で、「TPPは市民の意見におかまいなく、企業利益を最大にするものだ」と大ハシャギしているのである。



安倍は、こんなインチキ協定にノコノコと参加しようとしているのだ。元外交官で評論家の天木直人氏がこう言う。

「このリーク情報は昨年の大統領選のときに公表されたものですが、これまで一切報道されてこなかった。参加国の国民に知れたら、ただでさえ交渉が難航しているTPPはますます糾弾される。

だからオバマ政権が隠蔽し、米国民をもダマし続けてきたのです。日本は交渉のテーブルに着いたが最後、あらゆる市場を開放させられ、経済は崩壊し、国民の食も健康も米国に支配されてしまうでしょう。逆らえば、米企業が法外な賠償金を求めて訴えてくる。国はひとたまりもありません。

当然、日本政府と役人はすべてを知っているはずですが、日米安保条約の密約と同じでヒタ隠しにしているのです」

野党は4日の代表質問で、「TPP参加は国民を欺く『安倍トリック』だ」とか批判していたが、論より証拠だ。このデタラメ草案と告発番組を国会で取り上げ、安倍政権を徹底的に追及すべきだ。

(日刊ゲンダイ2013年3月5日掲載)

TPP参加に極秘条件後発再交渉できず
東京新聞2013年3月7日 夕刊

環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加問題で、二〇一一年十一月に後れて交渉参加を表明したカナダとメキシコが、米国など既に交渉を始めていた九カ国から「交渉を打ち切る権利は九カ国のみにある」「既に現在の参加国間で合意した条文は原則として受け入れ、再交渉は要求できない」などと、極めて不利な追加条件を承諾した上で参加を認められていた。複数の外交関係筋への取材で七日分かった。

各国は今年中の交渉妥結を目指しており、日本が後れて参加した場合もカナダなどと同様に交渉権を著しく制限されるのは必至だ。

関係筋によると、カナダ、メキシコ両政府は交渉条件をのんだ念書(レター)を極秘扱いしている。交渉全体を遅らせないために、後から参加する国には不利な条件を要求する内容だ。後から入る国は参加表明した後に、先発の国とレターを取り交わす。

カナダなどは交渉終結権を手放したことによって、新たなルールづくりの協議で先発九カ国が交渉をまとめようとした際に、拒否権を持てなくなる。

交渉参加に前向きな安倍晋三首相は、「『聖域なき関税撤廃』が前提ではないことが明確になった」と繰り返しているが、政府はカナダとメキシコが突きつけられた厳しい条件を明らかにしていない。日本がこうした条件をのんで参加した場合、「聖域」の確保が保証されない懸念が生じる。

カナダ、メキシコも一部の農産品を関税で守りたい立場で、日本と置かれた状況は似ている。国内農家の反対を押し切り、対等な交渉権を手放してまでTPPの交渉参加に踏み切ったのは、貿易相手国として魅力的な日本の参加とアジア市場の開拓を見据えているからとみられる。

先にTPPに参加した米国など九カ国は交渉を期限どおり有利に進めるため、カナダなど後発の参加国を「最恵国待遇」が受けられない、不利な立場の扱いにしたとみられる。

<TPP交渉参加国> 2006年、「P4」と呼ばれたシンガポールとニュージーランド、チリ、ブルネイによる4カ国の経済連携協定(EPA)が発効。これに米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが10年に加わり、9カ国に拡大した。その後、カナダとメキシコも参加を表明し、12年10月の協議から11カ国で交渉している。

http://www.kananet.com/tpp-kiken-kiji.

posted by 松田英貴 at 13:10| Comment(1) | TrackBack(0) | Diary
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